訪問介護サービス / 障害福祉サービスNursing care
welfare

介護スクール現役講師の鈴木より

介護に携わるようになり20数年。当初、理想と現実との違いが多い介護現場に戸惑い、大切な事に蓋をしないといけないのか…と思った時期もありました。
多くのご利用者様と出会い、関わらせて頂く中で、その大切な事は決して無視してはいけない事だと思うようになりました。
戸惑いながらも介護を続けている同じ仲間に、そして、これから介護を目指す方々に伝えて行くべき事だと感じ、今現在、現場にも行きながら主に介護講師という立場で、介護の基本と共に、私の想いも伝えております。
※スクールは奈良、京都、四条烏丸、枚方、布施、天王寺、梅田校等

受講生の皆様を介護の現場に送り出す時に真っ先に思い浮かぶ事があります。
受講生の皆様が働く現場が、どうか、ご利用者様の思いに寄り添え、支える事を一番に考えられ、職員がプライドを持った仕事ができる現場でありますようにという事です。
介護現場は、その施設のトップがどんな理念を持ち、何を大切にしたいと思っているのか。
また、その思いに職員が共感し、共有できているか。
それが現場の在り方に大きな影響を与えるからです。

残念ながら、ご利用者様の思いは後回しにされ、職員都合の介護が当たり前に行われている現場が多くあります。
そこで働く職員は、だんだん自分がやり易い介護、自分が…と主語を自分にして介護を行ってしまいます。

だから、私が理想とする事業所は、私達に関わる全ての方(ご利用者様、ご家族様、働く職員)が日々笑顔で過ごす事ができ、ご利用者様が、老いる事やできなくなった事を受け入れながら、誰かの支えで自分らしく毎日を送る事ができる。
そして職員は誰かの支えになっている実感で満たされる。
そんな毎日を共に試行錯誤しながら目指していける事業所です。

具体的には
常に主体(主語)はご本人であり、ご本人が何を望んでいるのか、どんな生活を送りたいのかを、日々の会話や表情からも気付ける職員がいて、その気づきをリーダーや上司にどんどん発信できる雰囲気(システム)がある現場。
職員同士の考えや技術をお互いリスペクトできるような現場。
介護保険の中では対応できない利用者様の望みを、他の方法で何とかできないかを真剣に考えてくれる現場です。

そんな現場で働けるのであれば、自分の事も大切にでき、同僚も尊重でき、そしてそれが何よりも利用者様が心穏やかに笑顔で過ごせる毎日に直結する事になると思います。

そんな現場が理想の現場だとしたら、それを理想論ではなく、現実に創り上げて行こうと実行している人と出会い、正直 驚きました。それが当法人の早川代表です。
介護業界の多くの問題点を自ら調べ、学び、本気で理想の現場を作ろうとしているからです。
「気づけば、そんな介護現場が増え、そしてそれが当たり前の現場になっている」という事を本気で想像できている…
そんな経営者に出逢えた事はラッキーであり、また感謝でしかないと、私は思っています。
この奈良の事業所から、理想の事業所を皆さんと一緒に創っていける事を年甲斐も無く久しぶりにワクワクしています。

宣言Declaration

①あなたの「やりたい介護」を実践できる環境を創ります

人それぞれ、目指す介護は違うと思います。
「あなたのしたい介護」ができる仕組みを一緒に組み立てます。理想をあきらめないでください。

②家庭との両立、自分の未来設計を、給与面と環境づくりで実現します

自分の幸せ、家族の幸せ、大切な人の幸せ、この土台が崩れたら本末転倒です。
事業所目線で言うと、あなたの先に利用者さんがいます。
利用者さんを幸せにする為には、まずあなたの人生からです。

③介護の仕事を”作業”にせず、誇りのある仕事にします。

介護が“作業”になるか“誇りある仕事”になるかは、
本人次第な部分もありますが、職場環境や労働条件も大きく寄与すると考えます。

我々の目指す介護

人生の終盤に「もう生きてても仕方ない」という気持ちやお言葉を聞くのは非常に残念に思います。

ご利用者さんのこれまでの長い人生を色に例えると、
赤や黄色、ピンクに緑、時には黒やグレー、
長い人生の中で様々な色を見てこられたのかと思います。
例えば、人生の終盤が黒だからといって、これまでに見てきた色を忘れたり、黒色で幕を閉じてしまうのは悲しいです。
そこに我々が関わることで、人生に彩りを取り戻せるお手伝いができると思っています。

料理や洗濯をしたり、排泄介助をしたりする行為自体が我々のお仕事ではありません。
我々はご利用者さんに対して、最後に少しでも彩りを添えてあげれたり、過去の彩りを思い出して貰う為の手段として、それらの行為(介護)に心を乗せて行います。

それには、
知識と技術と “心”が必要です。

ご利用者さんが自分らしく毎日を送る事ができ、 生きるエネルギーを更に取り戻してもらえる様な介護を我々は目指します。

その為には、
まず我々自身が自分らしく生きる事を心掛けます。

介護業界の不満と対策について

1位 給与が低い 54.3%
2位 腰痛などの身体的な負担 39.3%
3位 人手不足による業務過多 31.5%
4位 感染症などのリスク 23.9%
5位 同僚との人間関係 22.4%

出所:全国の介護士18歳〜69歳の男女2127名と介護事業所に勤める採用担当521名を対象にアンケート調査

上記表は介護業界の不満や不安のランキングです。
皆さんの思うところと違う事もあるかもしれませんが、大きくは違わないと思います。

ランキングの1〜3位は、“お金”と“体力”が問題です。

1位の「給与が低い」は、経営陣に多くの利益を分配したり、運営固定費が高すぎてスタッフの給与に充当する原資が少ない会社が多く感じます。
しかし、現場で汗をかく者や責任を持つ者が報われない処遇制度や評価制度では将来に不安を覚えるのは当然です。
この点に関しては数字を「見える化」し、労働に対する対価基準を上げ、働く人のライフスタイルを充実してもらえる様な仕組みを整えています。

2位の身体的な問題は、毎日のセルフケアも必要ですが、「給与が低いのに、その上しんどい」という精神面から派生する疲労もあると思います。
心と身体は連動しています。 セルフケアと充実した処遇(給与)、この二点で少しでも負担を軽減できればと考えております。
実際に腰痛も課題にはなるので、そこはいくつかの対策を講じます。

3位の「人手不足による業務過多」ですが、そもそも1位と2位にある問題が解決できていない以上、一時的に人が来ても直ぐに転職します。
自分の将来に希望が持てる、やりがいが持てる評価制度や処遇、働きやすい環境がないと定着はしません。
逆に、それらの整備を整えれば人が集まり、人手不足はある程度解消できると考えます。
何よりも介護職の方は「自己犠牲」の精神をお持ちの方が多いですが、それはそれで良いのですが、やはり自分の人生を豊にするには、自分の家族や大切なパートナーに安心を提供できる土台があってこそ、他者(利用者)への貢献の気持ちも芽生えると思います。